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【第087号】日本の未来

HOPE会員のみなさま
こんばんは!
コラム担当の内牧です^^

この間、理事長コラムの
感想をいただきました^^
私は配信をさせていただくだけですが、
会員のみなさんにこうして読んでいただき、
何かを感じてもらえて
すごく嬉しかったです^^

今回のコラムは、
HOPE事務局長の大石一浩さんです。
それではどうぞ!

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コラムを書く機会をいただきました。
四国青年NGO HOPE事務局長の大石と申します。

私は常々、日本の人口動態を切り口として、
今後の日本が置かれるであろう状態、
またその状態を背景とした課題や解決方法について考えています。
この機会に頭の中にある物を整理し、
一部を試みに発信してみようと思います。

貴重な機会をくださった関係者の皆様にはお礼申し上げます。

さて、去る2005年、厚生労働省が人口動態統計をとり始めてから
日本は始めて人口の自然減を経験しました。
それまで日本の人口は増加の一途を辿っていたのです。

ではこれから先、日本の人口はどうなっていくのでしょうか。
同じく厚生労働省によると、2030年時点での人口はおよそ11,500万人、
2050年時点では9,500万人まで減少するとされています。

2011年現在の人口がおよそ12,800万人とされていますから、
今後39年間で3,300万人減るということになります。
つまり、年間およそ85万人の人口減が見込まれるということです。

四国で言えば高知県の人口がおよそ75万人ですから、
毎年全高知県民を10万人上回る程度の人が
突然いなくなるのと同等の数字です。

また、日本の場合ただ人口が減るだけでは済みません。
急速に高齢化しながら減っていくことになります。

急速な高齢化は労働力人口の減少を招き、
経済成長にマイナスのインパクトを与えます。
一般的に労働力人口とは15歳から64歳の人をさし、
労働による対価(給与)を自ら得ることから、
人生で最も消費意欲が旺盛な時期にある年齢の人達と
言うことができるでしょう。

日本には、有名な「団塊の世代」という言葉があります。
1947年から1949年の3年間に生まれた人達のことです。
この3年間、毎年およそ270万人の人が生まれていました。

彼らは2012年から2014年にかけて65歳を迎えます。
多くの人が定年退職し、給与を得ることがなくなるため消費を控えるのです。

ここで重要なのは、270万人の人達が一斉にリタイアするこのタイミングで
15歳を迎え、国内消費の担い手となる若者の数です。
2012年に15歳を迎えるのは1997年生まれの人達ですが、
なんと1997年の出生数はおよそ120万人です。

270万人がリタイアするのに対し、
補充されるのが120万人しかおらず、150万人分のギャップが生じてしまいます。
しかもこれが3年間続き、
その後もこれほどではないにしても同様の現象が長く継続されることになります。

話はやや逸れますが、日本のGDP(国内総生産)に触れたいと思います。

GDPとは「一定期間に国内で生み出された付加価値の合計金額」のことです。
教科書にも載るような計算方法を引用すると以下のようになります。

GDP=個人消費+民間投資+政府支出+純輸出(輸出-輸入)

現在日本のGDPは年間およそ500兆円であり、
直近中国に抜かれたとは言えその規模は世界3位を誇るものです。

私が特に気にしているのはGDPを構成する項目の中の個人消費です。

日本は輸出大国というイメージを持ちがちですが、
実は個人消費におけるGDP構成比はおよそ6割です。
500兆円の6割ですから300兆円分は個人消費に由来しているのです。

前述の人口減少は、個人消費のみに限っても大きなインパクトを与えます。
仮に65歳を超えると消費をそれまでの7割に抑えることとしましょう。

2012年に想定されるギャップが150万人ですから、全人口のおよそ1%。
この150万人が一斉に消費を7割に抑える(3割を節約する)とすると、
およそ1兆円(※1)の個人消費が失われることになります。

※1)500兆円×0.6×0.01×0.3≒1兆円

2012年から2014年はこのギャップが特に大きな3年間ですが、
2050年までの39年間で平均0.5兆円失われるとしても、
19.5兆円という個人消費が消えてなくなることになります。

なお、今回は個人消費にしか触れませんでしたが、
労働力人口の減少によって影響を受けるのは個人消費だけではありません。
他の項目にも重大な影響を及ぼす可能性は高いと考えています。

実は、私は日本の人口問題について、もっと危惧していることがあります。
それは、団塊の世代の人達が次々にお亡くなりになる時期のことです。

65歳を迎えてリタイアすると言っても、あくまで消費を控えるだけのこと。
もっと深刻なのは彼らの消費が全く失われてしまうことではないでしょうか。

日本の平均寿命はおよそ83歳とされています。
そもそも平均寿命とは「その年に生まれた人の平均余命」のことですから
団塊の世代の人達には当てはまりませんが、便宜上この数字を使います。
また、便宜上、日本人は等しく83歳でその生涯を終えると仮定します。

2012年に65歳を迎える1947年生まれの人達が83歳を迎えるのは
2030年のことです。
繰り返すようですが、2030年時点の日本の人口は11,500万人と
想定されています。

団塊の世代の人達が続々と83歳を迎える2030年から2032年の3年間、
生まれて来る人の数はわかりませんが、2010年の出生数を参考に
およそ100万人と仮定しましょう。

270万人が消費を一切やめ、新たに100万人が消費行動を開始する
わけですから、170万人分のギャップが生じることになります。

ここからはやや強引ながら、
現在のGDP(およそ500兆円)に変化がないと仮定して話を進めていきます。

2030年に想定されるギャップが170万人ですから、2030年時点の
全人口のおよそ1.5%。
するとおよそ4.5兆円(※2)の個人消費が失われることになります。

※2)500兆円×0.6×0.015≒4.5兆円

2030年から2032年にかけての団塊の世代に起因する数字だけで
なんと13.5兆円になる計算です。

ところで問題になっている2030年。
みなさんは何歳でしょうか。

私は1984年生まれ(27歳)なので45歳です。
現在大学1年生で19歳の方は37歳ですね。

私の考えでは、日本経済の牽引役は30代から40代の人達です。
つまり、日本がかつてない困難に見舞われるかもしれないこの時期に
日本を背負うことが確定しているのが私達なのです。

みなさんの周囲を見渡して、同世代で協力してこの時期の日本を
背負う自信を持つことができるでしょうか。
残念ながら、今のところ私に自信はありません。

ただただ問題を書き並べるだけではいけませんから、
その解決方法について考えてみたいと思います。

2012年から2014年に発生する150万人分のギャップ(個人消費1兆円の消失)を
解決する方法を3パターン考えてみました。

1)15歳の人が今の1.3倍消費する
先述のように、2012年に発生する個人消費の減少分はおよそ1兆円。
全人口のおよそ1%に相当する120万人の15歳の人がすぐに1人前の
個人消費をすると仮定すると、その金額はおよそ3兆円(※3)。
仮に2012年、120万人の新規労働力人口のみで団塊の世代270万人の
節約分を埋めるとすると、本来3兆円である個人消費を4兆円にすれば
良いわけですから、今年15歳の人達がその消費量をおよそ1.3倍(※4)
に増やせば良いということになります。

※3)500兆円×0.6×0.01=3兆円
※4)(3兆円+1兆円)÷3兆円≒1.3

消費量を増やすためには労働により得る対価を増やす必要があります。
もし消費量が個々の能力(生産性)に比例するなら、今年15歳の人が
その能力を1.3倍にすれば良いと言い換えることもできます。
もちろんもう少し年長の人達も努力して能力を高めることができれば
より現実的な目標を立てられる可能性があります。

2)65歳以上の人にも可能な限り働いてもらう
目先のこの問題は65歳になると同時にリタイアすることによって
消費を控えるということを前提としているわけですから、
この前提から覆してしまえば一挙に解決できる可能性があります。
今の時代、65歳でもほとんどの方はお元気でしょう。

3)15歳の人全員に、2人に分裂してもらう
消費を含め、経済活動は労働力人口によるところが大きいわけですから、
要するに労働力人口さえ増やせば万事解決に結びつきます。
しかし2012年に15歳を迎える人は1997年に生まれてしまっているため、
急いで間に合わせるにはバイオテクノロジーを駆使して
分裂していただくほか仕様がありません。

3)は実現性が低そうなので置いておくとして、今すぐにでも効果が
出そうなアイデアは2)でしょうか。
中長期的には1)と2)を併用するのが望ましいように思います。

ここまで様々なことを書きましたが、このことをHOPE会員のみなさんに
お伝えしているのはある期待があってのことです。

先ほども述べましたが、解決方法の1)にあるように、これからの
日本をより良くするためには若者の能力向上が不可欠です。

今回はこれまで通りの経済成長を目指す上での課題や、
2030年あたりに直面する課題については省かせていただきました。
しかし、これら全ての課題は、若者の能力向上、あるいは環境に絶望せず
自ら課題解決に取り組む意識や姿勢によって解決可能と考えています。

これからの日本は激動の時代に突入することでしょう。
既存の社会構造や文化が変革を迫られるかもしれません。
そんな時、力を発揮するのはいつの時代も若者なのです。

これを読んでいるみなさんは、困難に直面した時、自ら考えその
解決に向けて前進するための素地を備えているはずです。
私は、近い将来、社会という大きなフィールドにおいてみなさんと
協働することを期待しているのです。

さらに言うと、人口問題を知ることを契機に他の社会問題に
目を向ける習慣を身に付けていただければとも期待しています。
興味を持つということは自己の成長において重要です。

来るべき私達が日本を背負うその時まで、自分の能力を高める
努力を共にしましょう。
先に私は「~自信がありません」と書きましたが、自信とは
自ら獲得するものであり、自信がないなら自信を得られるまで
精進すれば良いのです。
世に言う活性化とは、皆が自分自身や所属する地域に自信を
持っている状態を言うのではないでしょうか。

若者が活気付けばどんな社会問題も恐れることはありません。
要は、能動的になれるかどうかということです。

社会問題の解決に能動的になるためには、まず背景として
その社会問題を知らねばなりません。

今回は幸いにも得た機会を活かし、多くの社会問題の中から
1つを選んでお伝えしました。

拙い文章でしたが、お付き合いいただきありがとうございました。

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